KOJIKA17

ロゴマークの暗黙知について - Webサイトの上部にリンクは必要か? -

多くのWebサイトの上部にはロゴマークやサイト名が表示されており、
HOMEに戻るためのリンクが貼られている場合が多いと思います。
サイトの上部のHOMEに戻るリンクには、どのような効果があるのか、
また暗黙知としてのユーザーの反射的な行動について、20週間のデータから考えてみます。

デザインを変更して調査

暗黙知とは

認知の過程あるいは言葉に表せる知覚に対して、(全体的・部分的に)言葉に表せない・説明できない身体の作動を指す。

暗黙知 - Wikipedia

GoogleやYahoo!などの大手サイト、一般のサイトでも、左上のロゴマークにHOMEに戻るリンクが貼られている場合が多く、一般化している傾向にあると思います。
5週間ごとに当ブログのデザインを変えながら、ロゴマークについたリンクにはどのような効果があるか調査しました。
既存のデザインから、いきなりロゴマークをとってしまうと違和感があると思うので、デザインの要素をなるべく変えず、デザインを変更しました。
ロゴマークのあり・なしなどが分かりやすいようにdesign A, design B, design C とします。
design B, design C の期間中にブログ記事を2記事づつ書いていますが、design Bに変更したdesign Aの月には記事を全く書いていなかったため、design Aの時に5週間でブログ記事を2記事書いている月と、design Bになる前の5週間の両方を扱うデータとして扱います。

design A

デザインを見る

期間:4月30日から5月27日(A-1)
期間:6月28日から7月25日(A-2)
左上にロゴマークを配置し、ロゴマークからHOMEに戻れる。

design B

デザインを見る

期間:7月26日から8月22日
左上にロゴマークを設置しない。上部にリンクを一切設置していません。

design C

デザインを見る

期間:8月23日から9月19日
desigin B と見た目上、変更ありません。
ただ一旦下に行き、上部に戻ってきた時に、ロゴ(ホームに戻るボタン)が出るようにしています。
無意識に上部に戻っていない限り、上部にリンクの存在を分からないようになっています。

データから影響度を調べる

Google Analyticsでどの程度、落差が出たか調べます。
比較する項目は以下の通りです。

  • 全体のPV
  • 訪問別ページビュー
  • 直帰率
  • 平均サイト滞在時間
  • 上位のコンテンツ 平均ページ滞在時間
  • HOMEを見ている割合 【(HOMEのPV)/(全体のPV)*100】
  • 新規訪問者がHOMEを見ている割合 【(新規訪問者 HOMEのPV)/(新規訪問者 全体のPV)*100】

design A-1 (4月30日から5月27日)

全体のPV
36,202PV
訪問別PV
1.45
直帰率
75.65%
平均サイト滞在時間
00:06:53
上位のコンテンツ 平均ページ滞在時間
00:15:10
HOMEを見ている割合
10.02% (3,628PV/36,202PV*100)
新規訪問者がHOMEを見ている割合
6.87% (1,893PV/27,528PV*100)

design A-2 (6月28日から7月25日)

全体のPV
19,440PV
訪問別PV
1.50
直帰率
80.06%
平均サイト滞在時間
00:04:46
上位のコンテンツ 平均ページ滞在時間
00:09:31
HOMEを見ている割合
13.01% (2,530PV/19,440PV*100)
新規訪問者がHOMEを見ている割合
7.95% (927PV/11,646PV*100)

design B (7月26日から8月22日)

全体のPV
45,621PV
訪問別PV
1.52
直帰率
81.03%
平均サイト滞在時間
00:02:21
上位のコンテンツ 平均ページ滞在時間
00:04:32
HOMEを見ている割合
6.70% (3,061PV/45,621PV*100)
新規訪問者がHOMEを見ている割合
4.25% (1,330PV/31,239PV*100)

design C (8月23日から9月19日)

全体のPV
43,736PV
訪問別PV
1.56
直帰率
78.61%
平均サイト滞在時間
00:02:12
上位のコンテンツ 平均ページ滞在時間
00:03:55
HOMEを見ている割合
10.21% (4,468PV/43,736PV*100)
新規訪問者がHOMEを見ている割合
7.29% (1,909PV/26,175PV*100)
design A-1 A-2 B C
全体のPV 36,202PV 19,440PV 45,621PV 43,736PV
訪問別PV 1.45 1.50 1.52 1.56
直帰率 75.65% 80.06% 81.03% 78.61%
平均サイト滞在時間 00:06:53 00:04:46 00:02:21 00:02:12
上位のコンテンツ
平均ページ滞在時間
00:15:10 00:09:31 00:04:32 00:03:55
HOMEを見ている割合 10.02% 13.01% 6.70% 10.21%
新規訪問者が
HOMEを見ている割合
6.87% 7.95% 4.25% 7.29%

アクセス解析を見て思ったこと

訪問別ページビュー

デザインに関係なく、ページビューは順調に伸びています。
サイトのページボリュームが増えているので、相対的に訪問者のPVも増えているようです。

直帰率

デザインに関係なく、75%から80%前後に留まっています。

平均サイト滞在時間と上位のコンテンツ平均ページ滞在時間

design Aから、design B, C のデザインを変更してから、ページの滞在時間が半分以下まで落ちています。
明らかに滞在時間が低下しているので、ロゴマークだけの影響ではないような気がします。

HOMEを見ている割合と新規訪問者がHOMEを見ている割合

上部にリンクを一切設置していない design Bでは他に比べて、HOMEへの流動が約40%ほど低下しています。
同じデザインの design Cでは最初にロゴマーク(上部へのリンク)を表示していないにも関わらず、HOMEへの流動が戻っています。
この傾向は、新規訪問者、リピーター関係なく、HOMEに移動する場合、無意識に上部に戻り、ロゴマークをクリックしようとする傾向があるように思えます。

暗黙知として、ロゴマークでHOMEに戻ることが、Webユーザーインターフェイスとして機能しているケースの数字を出せたと思います。
しかし当ブログのターゲットは、Web関係者であり、Webリテラシーのある人が多く見ていると思われます。
一般ユーザーが調査対象でないため、一般ユーザーの暗黙知としての効力がどの程度あるかは量れません。

ロゴマークの暗黙知について調査していましたが、滞在時間がデザインによって大きく変わったのは驚きです。
またHOMEのアクセス数が相対的に低下しているにも関わらず、訪問別PVが増加しています。
今回の実験から、"ブログにHOMEは、本当に必要なのか?"という新しい疑問が出てきました。 HOMEに戻らせたことよりも、訪問したページ内に関連した情報を提供できるかが重要なようです。
特にブログの場合は、その傾向が強いかもしれません。

追記

ご意見を頂きましたので、上部のロゴマークについて箇条書きにします。

  • 迷った時に、クリックする。
  • は、ユーザーが「Webサイトを保存」した場合でも、保存したサイトのURLが分かるように、ロゴマークにリンクを絶対パスでしていた。(ソースは未確認)