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Webデザイナー必読?!
著作権について知っておくべき10のこと

Webデザインに限らず、制作したものに発生する「著作権」
知っておかないと、トラブルの元になるかもしれません。
特にWebデザインの場合は写真、文章、素材。
場合により動画など多岐の著作物を扱う場合が多々あります。
自分の頭の整理のためにも、Webデザイナー、ディレクターが知っておくべき著作権のことについて、まとめてみました。

著作権とは、知的財産権の一つです。
日本の著作権は「無方式主義」と呼ばれる方式で、制作物を制作すると自動的に著作権が発生します。
この時、著作者人格権著作権(著作財産権)に分かれます。

「著作者人格権」と「著作権(著作財産権)」について

著作者人格権
簡単に言えば「制作者」
公表の時の手段、方法を決定できる権利です。
法律上、制作者の同意がなければ公表できません。
著作権(著作財産権)
Webデザイナーにとっては、Webサイトなど制作物に対しての権利です。
Webサイト制作の場合は「公衆送信権、送信可能化権」「公の伝達権」「譲渡権」が主になると思います。

著作権の保護期間

著作権は自動的に発生します。
この時、著作権は制作者に帰属され、一定期間まで保護されます。
現在、2011年の日本保護期間は以下の通りです。

  • 原則的保護期間:著作者の死後50年
  • 共同著作物:最後に死亡した著作者の死後50年
  • 団体名義の著作物:公表50年

ただし海外の場合は死後70年がほとんどですので、海外からの制作物の流用の際は気をつけて下さい。

著作権の保護についての具体例

制作会社に所属している場合
会社のプロジェクトで制作したものは、著作者人格権、著作権は全て制作会社のものになります。
ただしクライアントに制作物を納品時に、著作権を譲渡することが一般的です。
サイトの著作権の保護期間は、サイト公開後50年です。
フリーランスで制作を行う場合
著作者人格権、著作権はWebデザイナーのものになります。
ただしクライアントに制作物を納品時に、著作権を譲渡することが一般的です。
サイトの著作権の保護期間は、著作権者の死後50年です。
フリーランスで共同制作を行う場合
著作者人格権、著作権は共同制作者のものになります。
サイトの著作権の保護期間は、最後に死亡した著作者の死後50年です。

2、Webサイトのレイアウトと配色

著作権法の著作権の定義は

著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

著作権法 第二条1

レイアウトは「創作的に表現」したものではなく、「アイディア、手法」と解釈されます。
手法ですので、レイアウトを真似しても著作権侵害になることにはなりません。

そして配色も真似しても著作権では問題ありません。

レイアウトと配色を全く同じで制作する場合は、著作権で法に触れることはほとんどないと思います。
ただしレイアウトと配色が全く同じ場合、CI(コーポレート・アイデンティティ)から、不正競争防止法で規制される「著名表示の使用行為」とされ、法にかかる恐れがあります。

あくまで"インスパイヤー"で留めておく事が大切です。

3、"モナリザ"をサイトのデザイン使用する場合

"モナリザ"の制作者レオナルド・ダ・ヴィンチは、1519年に亡くなられているので著作権の保護期間が満了していますので、自由に改変することができます。
当然、サイトのデザインに使用しても問題ありません。

しかし保護期間が消滅している著作物でも、著作物を撮影した写真を利用する場合は、その写真に著作権が発生するので、撮影者に使用の承諾を得る場合もあります。

4、スカイツリーをデザインに使用する場合

スカイツリーのような有名な建物などをデザインに使用、またはトレースを行うことは可能です。
これは著作権法で

美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

著作権法 第四十六条

ここでの「前条第二項に規定する屋外」とは、街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所を示します。

すなわちスカイツリー以外にも、彫刻や絵画でも恒常的に設置される建物や展示物に関して、それを使用してデザインを行うことができます。

ただしその建物が販売されている場合や、一時的な屋外のイベント、展示の場合はこれに当てはまりませんので、気を付ける必要があります。

5、写真からトレースする時に気をつけること

写真を元にトレースし、イラストを制作する場合があると思います。
著作権が発生している写真をイラスト化すると、複製行為にあたり、「複製権」侵害になります。
写真を元にトレースする場合は、自分で撮影した写真、または著作権が消滅している写真を利用する必要があります。

6、Google Mapsをトレースして企業案内の地図を作成する場合

地形そのものは著作権はありませんが、記号を使って表現した地図は図形の著作物です。
例えばGoogle Mapsを画面キャプチャし、色や細かい情報を書き込む場合は著作権侵害になります。
ただしイラストマップや鳥瞰図、ジオラマ地図などにすれば、美術的性格の著作物になり、著作物として保護されることになります。

通常の地図を作成する場合は、誰でも無料で利用できる国土地理院の実測地図を承認申請し、その地図を元に地図を作成すれば、著作物を侵害するどころか、著作物として保護されます。

補足ですが、Google Mapsをページに表示するだけなら商用利用でも問題ありません。
ただしGoogleで決められているGoogle Mapsの利用禁止行為にあたる、以下のような場合は気をつけて下さい。

  • 会員制サイトで、会員以外は地図を閲覧できない。
  • 特定の人間しかアクセスできないサーバでの使用。

7、他のWebサイトに掲載されている内容を自分のWebサイトで使用しても良いのか?

他のWebサイトの内容を、自分のWebサイトに掲載する場合、文章は線引きがなく難しいので、最低限の範囲であることが求められます。
書籍からの引用も同様です。

ただし写真、イラストなどは著作権侵害にあたります。
著作権フリーの写真やイラストもありますが、著作権を完全に放棄していない場合があるのでライセンスや利用規約をよく読んだ上で、利用すべきです。

ただし著作権が消滅していない画像などでであっても、引用して利用することができます。
引用の利用原則は

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

著作権法 第三十二条

引用であれば、著作者に著作物の利用承諾を求めなくとも利用することができます。

絶対ではないですが、具体的な引用方法として

  • 引用したと分るようにデザインを施す
  • 報道、批評、研究にてその挿入が必要であることを明確にする
  • トリミングを行うと「同一性保持権」の侵害になる可能性があるので、原則として改変しない方が良いかもしれません。
  • 出所や著作名の表示をユーザーにも分かる場所に明示する必要があります。

8、フォントの著作権

デザインに重要に関わってくるフォントですが応用美術とされ、現在の著作権法では美術に属する著作物ではないとされています。
理由としては、情報伝達の手段としての実用的な機能があり、著作権法の文化の発展に寄与するという目的を阻害しかねないからです。

そのためフォントの変形、切断、ロゴマークとして使用しても著作権侵害には至りません。
また有名企業のロゴのタイプフェイスを利用して、新たにロゴマークを制作しても著作権侵害にはなりません。
これも文字として読めるロゴデザインであれば、「情報伝達」の一部とみなされ、そのロゴが商標登録されていてもすり抜けられる場合もありますが、不正競争防止法の「著名表示の使用行為」にあたる可能性もあるので、安易にデザインを真似ない方が良いでしょう。

しかし「書」など毛筆で制作された作品は「美術の著作物」と認められ、著作権保護されます。
この違いは、

  • ロゴデザインは応用美術
  • 書作品は純粋美術

と認識されるからです。

またフォントのデータに関して「応用美術」でなく「プログラムの著作物」として著作権で保護されます。
CSS3の@font-faceなどで著作権者に無断でサーバー等にフォントデータをアップロードすると、訴えられる可能性がありますので、利用規約をよく読んでから使用されることをおすすめします。

9.フリー素材になぜライセンスを表示があるのか

フォントデータ、写真、プログラム等には著作権があります。この著作権も財産権である以上、著作権を放棄することも可能です。
著作権の放棄を行うと「パブリックドメイン」とされ、知的財産権が消滅、または発生していない状態になります。
その場合、知的財産権の侵害を根拠として利用の差止めや損害賠償請求などを求められることはなくなります。

しかし「その分野の発展に寄与したい」「著作物を広く利用してもらたい」と思ってはいても、完全には著作権放棄をしたくない場合。
この場合にコピーレフトと呼ばれるライセンス(利用許諾)表記を行います。
種類は「GPL」「LGPL」「MPL」など様々あります。
(ライセンスについて記事を書きました。 )

10、©の役割

日本の著作権法は、手続きを行わなくても、著作物を創作した時点で自動的に著作権が発生する無方式主義です。

しかし海外では著作権の発生には手続きが必要な方式主義の国があります。
この海外との差を埋めるために万国著作権条約(ユネスコ条約)により、

  • ©マーク
  • 最初の発行年
  • 著作権者名

著作物にこの3つが表示されていれば、方式主義の国であっても著作権保護されることが認められるようになりました。 上記の3つの表示内容が一致していない場合は、表示として不正になります。

例えばWebサイト上で

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このように[©]で表示される所が[c]で表示されている場合をたまに見受けます。
表記として間違っていますのでHTML上に表記する場合は、[c]の部分に

©

と入れ、

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と表示させるようにしょう。

トラブルではないですが、著作権に無知だった時にクライアントに「ここって著作権ではどうなんですか?」って聞かれて、お茶を濁す形になってしまった経験があります。
自信を持って「こうなっています」と答えられたら、さらに信頼を獲得できたでしょう。
デザイナー、ディレクターなら知っておいて損はないと思います。

※注釈

記事についてコメントがいくつかありましたので、注釈を記載させて頂きます。
「上記の内容だから全て大丈夫」というわけでなく、著作権は大丈夫でも他の法令では駄目な場合もあります。
また概略なので、詳細な内容を飛ばしている部分も多くありますので、"入門"として、ご覧になって下さい。